2005年12月30日

●勝負に純粋な「名将」に学ぶ − 箱根駅伝(1)

毎年幾多のドラマが生まれる、正月の風物詩として名高い箱根駅伝。

お正月の1月2日・3日に、合計10区間216.4kmで行われる、日本を代表するスポーツです。
「どうしても箱根を走りたい」という若者も少なくありません。

こんな箱根駅伝は、とても距離の長い駅伝で、しかも丸々2日間に渡るレースゆえ、
毎年、多くの「驚き」を与えてくれます。

その中でも、忘れられないチームの一つが「順天堂大学」です。

「名将」沢木監督の元、1981〜82年の第57〜58回大会では2連覇。
1986〜89年の第62〜65回大会では4連覇の黄金時代を築きました。

“沢木マジック”とも言われる箱根での順大の復路での大逆転劇は、
ドラマに満ち溢れています。


4連覇の最初の第62回大会では、2区で10位、5区で5位、往路が終わって6分32秒という大差。
10区にタスキが渡った時点でも2分6秒の差がありましたが、これを逆転しての大逆転優勝でした。

この年からの2〜4連覇の立役者となったのが、順天堂大学の山田和人さんです。

山田さんは、新潟の高校を卒業し、自衛隊に入隊。
しかし「どうしても、箱根駅伝で走りたい」という、箱根への夢・思いが捨てきれず、
新聞配達などのアルバイトをしながら、2年間の浪人生活の後、順天堂大学に入学。

そして、この「3連覇」の間で、毎年「区間賞」を取り続け、優勝に貢献しました。

しかし、そんな沢木監督率いる順大も、あの4連覇以来、頂点から遠ざかることとなったのです。
●1992年〜1998年・第68回〜第74回大会 〜 新旧交代(1) 〜

順大の4連覇以降を見てみると、先ずは山梨学院大学の躍進に目が止まります。

創部2年目の1987年の第63回大会に予選会から初出場を果たしましたが、最下位の15位。
そこから11位、7位、4位、2位と年々順位を上げていき、1992年の第68回大会で初優勝。
そして1994年〜1995年の第70〜71回大会では2連覇。

この山梨学院大学を率いていたのが、沢木監督の教え子の、30歳そこそこだった上田誠仁監督です。

そんな上田監督が、1992年の初優勝した時のインタビューで、

「何も咲かない寒い日は、

下へ下へと根を伸ばせ、という言葉が好きだ」


と言っていたことを、今でも憶えています。

そんな山梨学院大の中村祐二さんも「どうしても箱根を走りたい」と思い
山梨学院に入学した一人です。

中村さんは、熊本の高校を卒業し、福岡の実業団チーム新日鉄化学に入社。
4年間勤めましたが、伸び悩み、実家の農業を継ごうと退社します。

そんな中村さんを知る地元の高校の監督が、
「あの子、いいものを持っていたのに」という嘆きを、
小倉に出張していた山梨学院の上田監督が小耳に挟みました。

上田監督はその場から中村さんに電話をしました。
「もう一度、一緒に、陸上競技の可能性に挑戦してみないか」。

中村さんは、山梨学院大学に入学しました。

そして、1994年の第70回の第3区で、いきなり区間賞デビュー。しかも、チームも優勝。

1995年の第71回の2年生の時は、1区で区間賞を獲得し、連覇に貢献しました。
その2ヶ月後のびわ湖毎日マラソンでは大会記録で優勝し、
その夏の世界選手権にも出場しました。

「地方の無名選手」が、あっという間に「日本のエース」となりました。

このように逆境を乗り越え、順風満帆に疾走していた中村さんの前に、闇が突然あらわれます。

大学3年生になった中村さんは、1996年の第72回大会で4区を任されました。
しかし、レース途中で右アキレス腱を痛めてしまいます。

足を引きずりながら、歩き続ける中村選手。
いつ辿り着くかも分からない、辿り着けないかもしれない、
中継所に向かって、歩き続けました。

タスキの重さが、仲間の思いが、連覇への責任が、
「エース中村」の足に重くのしかかります。

結局、「悪夢の途中棄権」。
中村選手は崩れるように、上田監督に抱えられました。

しかししかし。

翌年の大学最後の箱根駅伝。
エース区間といわれる “花の2区”を任された中村さんは、
9位でタスキを受け取ると、8人を抜いてトップを奪い、見事復活したのです。


「計画通りにうまく行かなくても、想定外のアクシデントが起こっても、
 心は決して折れない男、中村」


忘れることはできません。
 
posted by 23book at 01:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 最近のスポーツをみて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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